つい最近、Xにこのような投稿をしました。
📢お知らせ
今までチケットをお取り置きしていただいたお客様に終演後お礼のメッセージ画像をお送りしていたのですが10月末をもって終了します理由は集客に影響がないこと、画像作成の時間をネタを書く時間に充てたほうがいいと判断したことなど!またブログに書きますhttps://t.co/WzjvBKnb3n
— 根尾みなみ (@minamiser) October 10, 2025
私は以前からチケットのお取り置きをしてくださったお客様にお礼としてメッセージ入りの画像をお送りしていたのですが、こちらを10月末で終了させていただくことに決めました。
これは嫌々やっていたわけではないですし、むしろ楽しかったのですが、この時間をもっとお笑いのために使いたいと思うようになりました。
チケットのお取り置きのお礼にメッセージ画像を送るというのはファンサービスの一環としてやってきたのですが、最近私にとって『ファン』の方の存在とは何なのかをあらためて考えるようになりました。
まず一口に『ファン』といってもグラデーションがあるなと思いました。私に取り置きをして会場に来てくださるファンの方、私が一番のお目当てでなくともライブで私のネタも楽しんでくださるファンの方、ライブにはいらっしゃらなくてもYouTubeのネタ動画を見て面白いなと思ってくださるファンの方、Xやブログなどの投稿を楽しんでおられるファンの方……。どんな形にせよ私のことを面白いと思ってくださっているファンの方には本当にありがたいと思っていますし、お笑いをやる上でそのお目が節穴ではないということをいつか証明したいという気持ちも大きなモチベーションになっています。
しかし、私はファンの方がゼロになってもお笑いをやると思います。この考え方はプロではないのかもしれませんが、私は心の底からファンの人数を増やしたいとは思っていません。
毎月やっているマセキの事務所ライブでは集客力も評価されるので、その点不十分な私は一番下のジャンピングイエローというランクのライブにばかり出ています(ネタが不十分でイエローなこともありますが……)。手軽に笑いを取るための手段として自分がずっとジャンピングイエローにいることを自虐したりすることもあるのですが、本当の本当はマセキの偉い人に怒られない限りはイエローでもいいと思っています。
一番上のライジングオレンジというランクに出ていたこともあるのですが、オレンジに出ていた頃の私よりイエローに出ている今の私の方が面白いと断言できるので、事務所ライブのシステムについて不満に思うことはありません。お客様の人数が少なかろうがライブのランクがどうであろうがより良いネタを書いて笑いを取ることに変わりはありません。
とはいえお笑いも商売ですから、ファンの多い芸人がライブに呼ばれます。私はまだその点十分ではないので事務所ライブにばかり出ています。
特にチケットの取り置きをしてくれるようなコアなファンの数は呼ばれるライブに直結します。ライブの規模や出演者を見て「この芸人が呼ばれて私は呼ばれないんだ」と感じてしまうこともあります。
私も芸人としてまだ技術や経験が不十分であることを重々承知していますが、それでも自分とそのライブに呼ばれる芸人との差が笑いの量ではなく人気や集客力ではないかと疑ってしまうことも少なくありません。とはいえ集客を頑張っている芸人に対してお笑いを頑張っていないとは思いませんし、むしろ素直にかっこいいなと思うことがほとんどです。
ですが先ほども申し上げた通り、私は本気でファンの人数を増やしたいとは思っていません。そもそも女性芸人を芸人としてでなく女性と見ている層についての意見をこれだけ発信している時点で、初めから『ファンを選ぶ』という感覚を持っていたのかもしれません。
私もおそらく本気でお取り置きをしてくださるファンの方を増やそうと思えば増やせると思います。自撮りを増やし、年齢や過去の恋愛経験について自虐し、趣味のプロ野球とプロレスをダシにして女性芸人を芸人としてでなく女性と見ている層に媚びれば多少お笑いでの収入も増えるでしょう。でもそういうことが嫌で私は今までやってきたはずです。
最近、とあるマセキのライブでスタッフさんの持っているお客様のご予約名簿を見ました。お取り置きでなくともTIGETからお目当ての芸人で私を選択してくださる方もたまに見かけるようになり、私が思っているよりも私の『ファン』の方はいらっしゃるのではないかと感じるようになりました。そういった方たちを無視して「ファンがいない」というのは間違っているし、とても失礼なことではないかと思うようになりました。
またこれは希望的観測でもあるのですが、私のファンの方はおそらく私にファンサービスを求めていないのでは?と思っています。でしたらなおのこと笑いでファンの方に還元すべきなのかなと考えるようになりました。
それから私に集客力がなくてもオファーしてくださる主催者さんへの感謝の気持ちも深くなりました。ファンのボリュームが十分ではないのにオファーしてくださるというのは、純粋に芸人として評価していただいているのかなという自信にもつながっています。ただ現時点で私を呼んでくださる主催者さんには早く還元できるようになりたいです。
とはいえお取り置きをしてくださるのはとても嬉しいので、これからもお待ちしております。
どんな形にせよ、応援してくださる方の期待に舞台やメディアで応えられるよう引き続き頑張ります。